2025年6月30日に記念すべきシリーズ30周年を迎えた『アークザラッド』。全世界での累計実売本数が370万本以上を記録している、人気のRPGシリーズだ。
同作モチーフの衣装やキャラがPlayStation®5向けゲームソフト『The Last of Us Part II Remastered』や『アストロボット』に登場したり、第1作とその続編のサウンドが85曲収録されたサウンドトラックが発売されたりなど、前年は様々な展開が見られた。だが肝心のシリーズ本体はといえば、ここ数年は残念ながら目立った動きが発表されていないのが事実であった。
参考:光と音のRPG 『アークザラッド R』配信開始から6日間で50万ダウンロードを突破!! | PR TIMES
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そんな2025年9月、界隈に衝撃が走った──
──なんと、新たな『アークザラッド』公式ライセンスグッズの発売が決定したのだ!!!
私の記憶が正しければ、おそらく同作の公式グッズは2019年を最後に発売されていないはず。実に6年ぶりとなる特大ニュースに、SNSでも多くのシリーズファンから喜びと驚きの声が上がっていた。
参考:『アークザラッド R』の新グッズ情報が到着 | PlayStation.Blog
アークザラッドのグッズ! アークザラッドのグッズ!!!(大興奮) 138ネコ@オタク君5巻9月11日発売予定 さん @138neco
アークザラッドⅡの新グッズ😭 薬師寺 さん @yutaka_fon
アークザラッド30周年イヤーに新規グッズをありがとうございます!通販待機勢ですが無事に購入できますように✨ 森国くるみ さん @hello_bruin
並み居る人気キャラを押し除けてグルガ! めちゃくちゃ欲しいぞ!! 風次 裏切りマンキーコング さん @bulldozer_fuji
アーク界隈がザワザワしてる理由これか、本当に何でリーザやククルじゃなくてグルガ…!?w 世鳥アスカ さん @aska_setori
2025年にアークザラッドのオフィシャルライセンス商品が!? そしてこのメンバーにしっかり入り込んでくるグルガ!笑 ウチの最終パーティでもトッシュと並んでメインアタッカーでした。 じゅんぺい(デンデ) さん @junpeidende
アークザラッド1,2のキャラグッズを作るために4キャラ選ばなければならないとして。主人公のアークとエルク確定とすると残り2枠。そこにグルガを入れられる人間は世界にどれくらいいるだろう。勇気ある行動。勇気ある行動は人の心を開きます。もう全開ですよ私の心と財布の紐は。 桜井ひよ子 さん @hiyosaku
※注:上記の投稿は許可を頂いて掲載しています。
中でも注目を集めたのは、ラインナップに、あの「グルガ」が含まれていたことだろう。
『アークザラッドⅡ』(以下、アーク2)には多くのキャラが存在するが、刺繍ステッカーに登場するのはたった4名。にもかかわらずグルガが選ばれた──今回の「アーク、エルク、ちょこ、グルガ」という並びを見た瞬間、かつてアーク2を遊んだ方ならば何かしらの“違和感”を覚えたのではないだろうか。
私は一瞬だけ戸惑って、それから、ただただ空を仰いだ。
通常の公式グッズにおけるキャラ選びのセオリー。作品内における彼の立ち位置。状況をふまえて考えれば考えるほど、この並びで「グルガ」という選択肢は通常ありえない。だが最高に素晴らしい。話題性も抜群だ。なぜなら、それがアーク2におけるグルガという“漢”なのだから……!
今回のグッズ企画の担当者様に「並々ならぬ作品愛&こだわり」が無ければ、まずこんなセレクトは思いつけないし、思いついても普通は実行できないはずだ。てかこんな大胆すぎる企画案を通した企業様も凄いって。
というわけで今回は、2025年に新発売された『アークザラッド 刺繍ステッカー』について、販売元であるGRAPHTの担当者様に直撃インタビューをお願いしたところ、ご快諾をいただいた。
発売にいたった背景、制作上のこだわり、今後の発売予定など、おそらくファンの皆様が気になるであろう点も色々と伺ってきたので、ぜひ最後までお楽しみいただければ幸いである。
なお私・鳴海はアークザラッドが好きすぎて、趣味で「アークR 選抜YouTuber」に応募して攻略動画を作ったり、作品内要素を考察したりして遊んでいたところ、ご縁あってお声がけいただき、2025年4月から株式会社マグマスタジオ所属となった。
だが今回は(所属先の許可を取ったうえで)“ただの1ファン”として書いた記事である。あくまで個人の見解や感想であり、所属組織を代表するものではない点をご了承いただきたい。
※注:アークR 選抜YouTuber:2019年に『アークザラッドR』運営が公募により選出した公認YouTuber。
※注:株式会社マグマスタジオ:アークザラッド制作に携わったオリジナルスタッフも所属する制作会社。

AniGeNoMa公式連載コラム「鳴海なのかの気になる何か」
「簡単家庭料理研究家でクリエイターな何でも屋」という肩書きで、映像作品・TV番組構成・脚本・小説・記事・WEBサイト・料理レシピなど色々作ったり書いたりしている鳴海なのかが、「気になったもの」を気ままにピックアップし語ります。更新は不定期。
『アークザラッド 刺繍ステッカー』とは?
GRAPHTが展開する『アークザラッド 刺繍ステッカー』は、PlayStationゲーム関連グッズのひとつとして、2025年9月25日~28日に幕張メッセにて開催された『東京ゲームショウ2025』の会場で先行販売されたオフィシャルライセンス商品である。

このとき展開されたのは「アークザラッドⅡ アーク/エルク/ちょこ/グルガ/タイトルロゴ」の全5種だ。発表直後から作品ファンの間で大きな話題になったこともあってか、販売初日(ビジネスデイの9月25日)はお昼頃に5種すべてが完売したとのこと。
参考:TOKYO GAME SHOW 2025先行販売オフィシャルライセンス商品 | PlayStation
同年10月8日からは「事後通販」としてGRAPHTのECサイトでの予約受付が始まった。販売開始4日目にはタイトルロゴを除くキャラステッカーが1度完売している。(なお私はいろいろ使う用と保存用でどれを何個ずつ買うか迷ってたら見事に買い逃しました……が!そのさらに数日後、在庫を復活していただけたおかげで無事に全種買えました!!!)
参考:アークザラッド – GRAPHT OFFICIAL STORE
参考:アークザラッド2 × GRAPHT #TGS2025 《本日から》事後通販開始 | GRAPHT公式X
GRAPHTご担当者様に直撃インタビュー!
今回は、私(以下、鳴海)から、『アークザラッド 刺繍ステッカー』企画に携わったGRAPHTご担当者様(以下:担当)に質問する形でインタビューを実施させていただいた。
そもそも『GRAPHT』とは?
鳴海:
御社のブランド『GRAPHT』について、初めて知る方に向けて、もしくは既に知っている方に向けて改めてご紹介いただけますでしょうか?
担当:
『GRAPHT(グラフト)』は、“好きを語れる人を増やす”というミッションのもと、ゲームカルチャーに心から共感し、ゲーマーやクリエイター、コミュニティの挑戦や活動を全力で応援するブランドです。

GRAPHT OFFICIAL STORE
鳴海:
例えば、どのようなアイテムを展開されていますか?
担当:
今回取材のお話をいただいた刺繍ステッカーをはじめ、アパレルや雑貨といったライフスタイル製品から、モニター・ゲームパッド・アケコンなどのゲーミングギアまで、ゲームのある日常をより豊かにする製品を、モノづくりにこだわりながら幅広く展開させていただいています。
担当:
刺繍ステッカーは、ゲーム画面の印象を刺繍で再現することや、使う方が自分の持ち物を自分でカスタマイズできるという点にこだわった製品です。
鳴海:
GRAPHTさんは、『東京ゲームショウ2025』でも、アークザラッド刺繍ステッカーはじめ様々なアイテムが販売された「物販ブース」だけでなく、人気タイトル大会などのステージイベント・オリジナルゲーミングギアの展示などが行われた「展示ブース」も出展されたとのことで、とても話題になっていましたね。
なぜグルガ?本企画の経緯とセレクトの背景
鳴海:
本企画(TOKYO GAME SHOW 2025先行販売オフィシャルライセンス商品)を立ち上げるに至った経緯をお聞かせください。
担当:
2008年より、当社(MSY株式会社)は株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(現:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)とのライセンス契約を継続し、「プレイステーション™」のハードウェアや名作ゲームタイトルを題材にしたライフスタイル製品を多数展開してきました。
鳴海:
今回のラインナップでも、『Bloodborne』『ASTRO BOT』『サルゲッチュ』『どこでもいっしょ』など様々な人気作品のアイテムが展開されていましたね。その対象作品の1つとして『アークザラッド』を選定された主な理由は何でしょうか?
担当:
『アークザラッド』は、かねてよりぜひ取り組みたいと考えていたタイトルのひとつです。“オフィシャルライセンス”にふさわしい作品を揃えるにあたって、自分自身が『PlayStation』でたくさん遊んだ10代の頃を振り返ったときに、『アークザラッド』は外せないと考えていました。シミュレーションRPGとしての完成度も高く、個人的にも思い入れがあります。
鳴海:
ですね!!!!!!(激しく同意)

鳴海:
そして今回の『アークザラッド 刺繍ステッカー』を初めて見た作品ファンの皆様が最も気になるのは、おそらく「なぜ数多くのプレイアブルキャラが存在するアーク2の中から、この4名のキャラクターを選んだのか」という点ではないでしょうか。ラインナップ選びの決め手は何でしたか?
担当:
製品化の選定にあたって、まずは主人公のアークとエルクの2人と、あえて強さを重視してグルガ(物理)とちょこ(魔法)でセレクトしました。
鳴海:
──お、思ったよりシンプルな理由だった!
鳴海:
確かにグルガは前衛として攻防ともに活躍しまくれますし(私は棒派)、ちょこはコンバート&かくせい&ロマンシングストーン装備が前提にはなるものの特殊能力『ヴァニッシュ』がとにかく強力ですよね。もちろんアーク2は育成における選択肢が超豊富なこともあり、やり込み次第で大化けするキャラ(召喚獣とか)や特殊能力(ディバイドとか)も少なくないですが、通常プレイの範囲では、両名とも最強クラスと言って間違いないかと思います!
鳴海:
(個人的には、特に「物理基準の強さ」との観点でトッシュでなくグルガを選んだあたり、ご担当者様の猛烈な“こだわり”を感じるところですが……あえて、これ以上は聞かないでおくことにしましょうw)
サイズは?使える場面は?刺繍ステッカーの仕様
鳴海:
こちらの刺繍ステッカーの、仕様面における特徴を教えてください。
担当:
GRAPHTの刺繍アイテムは、国内・桐生地域の刺繍工場で一つひとつ丁寧に製作しています。使用できる糸は最大12色という制約がある中で、大事なIPの再現性を損なわない表現にこだわっています。
担当:
また、ユーザーが見た瞬間にキャラクターの特徴が伝わるように、縫い糸の方向(糸目)を工夫することで、キャラクターの服の流れや動きを表現しています。アパレルやノートPCなどに貼付されることから逆算して縁取り(土台)の色もキャラクターやモチーフのイメージカラーなどにしています。
鳴海:
サイズについてはいかがでしょうか?
担当:
キャップやTシャツなどにワンポイントで貼れるサイズを基本にしています。
担当:
サイズが大きいと表現の幅がひろがり絵画のような刺繍も可能ですが、ユーザーのカスタマイズのしやすさが落ちてしまいます。逆に、カスタマイズのしやすさを重視して小ささを追求すると、刺繍する面積が小さくなり、表現が限定されてしまいます。難易度の高い表現を保ちながら貼りやすい、使い勝手のよいサイズ感にしています。
鳴海:
確かに程よいサイズ感です。今回のアーク2コラボのシリーズでも、「ちょこが大きめ」「ロゴは厚め」などアイテムによって多少変えてあるあたり、それぞれのキャラクター毎に細かくベストな表現を追求されたことが伺えます。特にグルガは配色含め、刺繍糸での表現との相性がとても素晴らしいですね!


縦45mm×横40mm×奥行1mm

縦42mm×横40mm×奥行1mm

縦42mm×横40mm×奥行1mm

縦50mm×横40mm×奥行1mm

縦35mm×横50mm×奥行2mm
鳴海:
使う場面を想定しての仕様面はどうでしょうか?
担当:
2WAY仕様にしています。アパレルやバッグなどの布製品には熱圧着で貼ることができます。
鳴海:
え! アイロンでの熱圧着いけるんですか、めっちゃいいですね!!!
ちょっとこれは、バッグとか合いそうな布アイテムをちゃんと探しに行かねば……
担当:
そしてデバイスやノートPCなどにはステッカー感覚で繰り返し貼り直すことができます。実際に社内ではノートPCにステッカー感覚で貼って楽しむスタッフも多いです。
鳴海:
貼り直せるのは嬉しいですね。刺繍の風合いに“あたたかみ”もあって、普通のステッカーとはまた一味違うワンポイントになりそうな気がします。
担当:
刺繍ステッカーは、ユーザーが自由にカスタマイズできる製品として今後も大切にしていきたいと考えています。「あのタイトルが無い」が無いくらいに、ラインナップを充実させていきたいです。
先行販売後はどこで買える?今後の取り扱い予定
鳴海:
『東京ゲームショウ2025』での先行販売以降の、『アークザラッド 刺繍ステッカー』の一般販売について、現時点の想定ベースで結構ですので教えてください。
担当:
東京ゲームショウや事後通販で多くの反響をいただいたので、現在追加生産を行っています。
鳴海:
追加生産も! 買えるチャンスが増えたわけですね。どこでの販売を予定していますか?
担当:
GRAPHT公式ECサイトで予約販売を受け付けているほか、各地で弊社が開催するポップアップストア(『PlayStation™ Official Licensed POP UP STORE by GRAPHT』)で販売予定です。そのほかの取り扱いについては現時点では未定です。
鳴海:
……ということは、確実に買いたいなら今のうちにサイトから予約するのが無難ですね。
※注:インタビューは2025年10月中旬に実施。この時点では『アークザラッド 刺繍ステッカー』予約販売を受付中。
鳴海:
私も公式ECサイトで何とか無事に「使う用」と「保存用」を予約できました。でもせっかくなら実店舗で並んでるのも見たいので、ポップアップストアで見かけたら記念に1グルガずつ買い足したいです!
新アイテムは出る?『アークザラッド』関連グッズの展開予定
鳴海:
『アークザラッド』とのコラボ展開について、今後のライセンス商品展開や、再販・追加ラインナップなど、もし見据えていらっしゃる方向性があれば、差し支えない範囲でお聞かせください。
担当:
想像以上に大きな反響をいただき、とても嬉しく感じています。具体的な予定はまだありませんが、何かしらまた形にできたらと考えています。
鳴海:
ということは刺繍ステッカーに追加キャラが来たり、新アイテムが増えたりな可能性も十分にあるわけですね。なるほど……(個人的には「ピエール・ベロニカの人形屋敷ペーパークラフト/ソフトクリーム ギミック付 with エルク&リーザ ミニサイズ」とかほしいなぁ……アクスタ+ベースもありか!)
鳴海:
最後に、長年「アークザラッド」という作品シリーズを愛してきたファンの皆様に向けてメッセージをお願いできますでしょうか。
担当:
「アークザラッド」はずっとやりたいと思っていたタイトルだったので、今回の刺繍ステッカーを通じて共感してくださる方々やコミュニティがいることを実感できたのが本当に嬉しかったです。これからも、あの頃を彩った、心を動かされたゲームタイトルを大切に拡げていきたいと思っています。
鳴海:
お忙しい中、貴重なお話をお聞かせくださり、誠にありがとうございました。
©2025 Sony Interactive Entertainment Inc. アークザラッド is a trademark of Sony Interactive Entertainment Inc.